キッチンでの料理中などに、シンクにお湯を流すと「ボコッ」という不思議な音がすることがあります。

この現象は、特にステンレス製のシンクでよく起こるようです。

私もシンクにお湯を流すことがあるので、「ボコッ」という音はよく聞きます。

では、なぜこのような音がするのでしょうか?

また、音がしても放っておいてよいものなんでしょうか?

この記事では、その疑問に答えるべく、音がする原因とその影響、さらには対処法についても、詳しく解説しています。

シンクに熱湯を流すと音がする理由とは?

お湯をシンクに流すと音がするのは何故なのか?

実は、この「ボコッ」という音の正体は、シンクの素材であるステンレスが熱によって瞬間的に膨張し、反り上がることで生じる振動音なんです。

熱湯がシンクに直接触れると、ステンレスの一部が急激に熱を受けます。

通常、金属は熱を受けると膨張する性質を持っています。

ステンレス製のシンクでは、この熱膨張が局部的に起こるため、シンクの一部が急速に反り上がり、それが振動となって「ボコッ」という音が発生するのです。

この音は、シンクの素材が熱に反応している証拠であり、シンクが熱によって形を変えようとしている瞬間を示しています。
シンクがステンレス製であればあるほど、この現象は顕著に現れる傾向があります。

このように、シンクにお湯を流すときに音がするのは、ステンレス製のシンクが熱膨張によって反り上がる現象によるものということです。

シンクに熱湯を流しても大丈夫?

シンクにお湯を流すと音がするのは、以上のような仕組みによるものです。

ここで気になるのは、そもそもお湯をシンクに流してもいいのか?ということだと思います。

結論から言うと、実はあまりおすすめできない行為です。

なぜなら、シンクや排水管に悪影響を及ぼす可能性があるからです。

まず、熱湯をシンクに流すと、シンクの素材によっては変形や劣化の原因となることがあります。
特にステンレス製のシンクは、熱によって急激に膨張し、その後の収縮によって変形や劣化が起こりやすくなります。

また、シンクから排水管へと流れる熱湯は、排水管にも影響を及ぼします。
多くの家庭で使用されている塩化ビニール(PVC)製の排水管は、一般的に60℃〜80℃の耐熱温度を持っています。

熱湯は100℃に近い温度ですので、これを直接流すことは、排水管の変形や破損のリスクを高めてしまうというわけです。

熱湯をシンクに流すことは、例えれば、冬の寒い日に暖房が効いた部屋から突然外の寒空に出るようなものです。
急激な温度変化は体に負担をかけてしまいますよね。

同じように、シンクや排水管も急激な熱変化によってダメージを受けてしまうということです。

シンクに熱湯を流すときはどうしたらよい?

前述の通り、熱湯をそのままシンクに流すことは避けるべきです。

とはいえ、料理をするときなど、どうしても熱湯をシンクに流してしまうこともあるでしょう。
特に冬場には熱湯を使用する機会が多くなると思います。

では、熱湯を流すとき、どのように対処すればよいのでしょうか?

答えは、熱湯の温度を下げること!
これに尽きます。

単純ではありますが、熱湯をシンクに流す前に、温度を下げることは重要です。

排水管の耐熱温度は、一般的に60℃〜80℃に設計されています。
とすると、逆に考えると、80℃までのお湯なら流しても大丈夫と言えます。

ですが、80℃は耐熱温度の最大値であり、80℃まで耐えられないケースが多いので、少なくとも60℃以下にする必要があるようです。

では、具体的にどのようにして温度を下げるのかというと、以下のような方法があります。

  • 熱湯を一度ボウルや鍋に移し、そこに冷水を加えて60℃以下に冷ます
  • 熱湯をシンクに流す際に、同時に冷たい水道水を大量に流す
  • 熱湯を直接シンクに流さず、別の耐熱性のある容器に移してから捨てる

以上のように対処することで、シンクや排水管へのダメージを防ぎ、長持ちさせることができます。

日常の料理の際には、このような小さな配慮がキッチン設備を守る鍵となります。

私の場合は、お湯を流すときは、一緒に水道水を流すようにしています。
コーヒーやインスタントラーメンで使用するお湯を沸かしたときでも、必ず水道水の用意をするようになりました。

やはり、シンクや排水管が傷つくのは怖いですから…

ただし、水の無駄遣いには注意したいですね。

まとめ

熱湯を流したときに音がする原因は以上のとおりです。

大切なのは、ボコッという音をさせないことですね。
音が鳴ってしまったら、それ自体が危険な状態に近づいていることになります。

日々の料理のときなど、シンクに流すお湯の温度は下げるようにする必要があります。
このような小さな配慮がキッチン設備を守る鍵となります。

シンクや排水管の健康を守るためにも、お湯の温度管理には気を付けたいですね。