「厭世的」という言葉があります。
人生や世の中の存在に対して否定的な気持ちになることを意味します。
そのため、肯定的な場面では使われず、ネガティブな文脈で用いられるのがほとんどです。
実際、暗いニュースや出来事の解説・感想などで、使われるのをよく見かけると思います。
この記事では、「厭世的」の意味と使い方、類義語や英語表現まで詳しく紹介しています。
厭世的の読み方は?
「厭世的」は「えんせいてき」と読みます。
「厭」という漢字は、一般的になじみが薄いかもしれませんね。
音読みでは「エン」と発音され、「倦厭(けんえん)」などのフレーズで見かけることがあります。
また、「厭」の訓読みとしては、「厭う(いとう)」や「厭きる(あきる)」などがあります。
厭世的の意味は?
「厭世的」という言葉は、人生に対して悲観的になり、世の中の色々な存在を否定的に感じる心境を指します。
また、自分自身に価値がないと感じたり、生きていくのが嫌になる状態を表します。
「厭世」は、文字通りには「世を厭う(よをいとう)」という意味です。
「厭」という字には「嫌う」という意味が含まれており、「嫌」と似ています。
ですが、「嫌」が一般的な嫌悪感を示すのに対し、「厭」には飽きることによる嫌悪感が含まれています。
そのため、「世界に飽き飽きしてしまう」という感情を「厭世的」と表現します。
個人の人生観や価値観を語る際に使われることがありますが、通常はネガティブな文脈で使用され、肯定的な意味では用いられません。
厭世的の使い方をご紹介
「厭世的」の使い方として、5つの例文を紹介します。
- 彼は最近、仕事のストレスから厭世的な考え方に傾いてしまい、何をするにも意欲を見失っている。
- その映画は厭世的テーマを扱っており、鑑賞後には心が重く沈んだ気持ちになった。
- 厭世的な視点から世界を見ると、美しいものさえも色あせて見えてしまう。
- 彼女の詩には、人間関係の複雑さに対する厭世的な感情が強く反映されている。
- その悲しいニュースを聞いてからというもの、彼はますます厭世的になり、社会から距離を置くようになった。
厭世的の類義語をご紹介
「厭世的」の類語としては、悲観的や否定的というような意味の言葉が当てはまります。
- ネガティブ
- 後ろ向き
- 絶望的
- 虚無的
- マイナス思考
- ペシミスティック
- ニヒリスティック
などの表現があげられます。
厭世的の対義語をご紹介
「厭世的」の対義語は、楽観的や肯定的という意味の言葉が考えられます。
- 楽天的
- 前向き
- 希望的
- ポジティブ
- オプティミスティック
などの表現が考えられます。
厭世的の英語表現をご紹介
「厭世的」の英語表現としては、pessimisticがあげられます。
厭世的以外にも、「悲観的」という意味でよく使われます。
例文をあげると
(この映画は厭世的で、気持ちが落ち込んでしまうよ。)
となります。
厭世的の類義語として紹介した「ペシミスティック」は、pessimisticを音読みしたもので、日本語に取り入れられた外来語となります。
英語の語彙がそのまま日本語に取り入れられたような形ですね。
まとめ
「厭世的」とは、人生や世界に対して悲観的な見方をすることを意味します。
文学や芸術の分野でもよく用いられる表現です。
人生で暗い出来事が続くと、人は自然と厭世的な気持ちに傾きがちです。
実際、多くの人がこのような心境に陥ることがありますが、それは避けられない反応の一つでしょう。
私もそういう気持ちになることがあります。
自分の人生に意味があるのか?と深刻に考えたこともあります。
しかし、どんな状況であっても、地に足をつけて生きていくしかありません。
日々、少しでも明るい未来を目指して努力することが大切になりますね。