「一芸は道に通ずる」ということわざがあります。

何事においても、一つの道を極めることの大切さを説く言葉です。

「一芸は道に通ずる」の意味や由来、使い方や類義語なども詳しく紹介しています。

一芸は道に通ずるの意味は?

「一芸は道に通ずる」という言葉は、一つの技術や芸術に深く打ち込み、その道を極めることで、他の分野でも才能を発揮することができるという意味を持っています。

どんな分野であれ、一つのことを深く追求し続けることで、単なる技術を超えた広い視野や深い理解を得ることができると考えられます。

例えば、学問やスポーツ、芸術、芸能など、あらゆる分野で深い理解を得るには、そこで直面する困難や挫折を乗り越えることが重要ですよね。

その過程での努力や工夫は、他の全く異なる分野に挑戦する際にも、大いに役立つ知恵や能力を育むことになります。

このように、一つの分野における専門性が他の多くの分野にも役立つという考えを示しており、一芸に秀でることの大切さを教えてくれる表現です。

一芸は道に通ずるの由来は?

「一芸は道に通ずる」を同じ意味の言葉として、「一芸は万芸に通じる」「一道は万芸に通じる」があります。

この2つの表現が合わさって、「一芸は道に通ずる」という新しい表現が生まれたと考えられています。

まず、「一芸は万芸に通じる」は能楽の言葉です。

室町時代に能楽を発展させた世阿弥によって記された「風姿花伝」で見受けられます。

風姿花伝は長らく能の内部でのみ伝わる秘伝とされ、広く知られるようになったのは近代になってからとされています。

続いて、「一道は万芸に通じる」は、江戸時代初期の有名な剣豪である宮本武蔵の言葉です。

宮本武蔵が記した「五輪書」に「一道は万芸に通じる」という表現があります。

この2つの表現は、どちらも、一つの技術や分野に精通することで、他の様々なな分野にもその知識や技能が応用できるという意味を持っています。

一芸は道に通ずるの使い方は?

続いて、「一芸は道に通ずる」の使い方として、5つの例文を紹介します。

  • 一芸は道に通ずると言われるように、成功を収めるまでの経験と努力は、人生における貴重な財産となる。
  • 一つの言語を徹底的に学ぶことで、言語学習の方法やコツが身につき、一芸は道に通ずるように、他の言語の習得もスムーズになる。
  • 彼女はバレエで鍛えた身体能力を生かし、アクション映画のスタントに挑戦している。これが「一芸は道に通ずる」というわけだ。
  • 彼は同時に多くの楽器を学ぼうとしたが、どれもうまくいかなかった。一芸は道に通ずるというよりも、何事も中途半端に終わってしまう典型だ。
  • 一芸は道に通ずるで、彼女は小説家としての豊かな表現力を映画の脚本にも活かし、異なる分野での成功を収めている。

一芸は道に通ずるの類義語は?

次に、「一芸は道に通ずる」の類義語として、以下の5つを紹介します。

  • 一芸は万芸に通じる
  • 一道は万芸に通じる
  • 一芸に秀でる者は多芸に通ず
  • 一芸に長ずれば多芸に長ず
  • 一通百通

一芸は道に通ずるの対義語は?

さらに、「一芸は道に通ずる」の対義語として、以下の3つを紹介します。

器用貧乏

さまざまなことがそこそこできるが、どれも専門的なレベルには至らない状態を指します。
一つの分野での深い専門性よりも、多様な分野での平均的な能力を示す言葉です。

多芸は無芸

さまざまなことを少しずつできるが、どの分野においても真の専門性や深い技術を持っていない状態を指します。
多くの分野に手を出すことで、どの分野においても高いレベルに達していないことを示唆する言葉です。

八方美人

どの分野にも広く手を出すが、どれも深く追求しない様子を表す言葉です。
一芸に特化することの重要性を否定し、多方面に広く浅く関わることを示唆します。

まとめ

「一芸は道に通ずる」ということわざは、一つの分野に深く打ち込むことの価値を教えてくれます。

一つの技術や芸術に専念することで、他の分野にも応用可能な深い知識や能力が身につきます。

様々な分野で成功するのが理想ですが、まずは一つのことを極めて、深い理解を得ることが大切になりますね。