松尾諭さんのエッセイをドラマ化した「拾われた男」が、2022年10月11日から地上波のNHK総合「ドラマ10」枠で放送されました。
NHK 総合 10/10 06:45 【ドラマ10】拾われた男 10/11(火)総合・夜10時スタート! 📱NHKプラスで同時配信予定💻 #nhkgtv https://t.co/EQzaRqeNc0
— NHK総合 (@NHK_GTV) October 9, 2022
ストーリーは面白いし、出演する俳優さんたちの顔ぶれも豪華!
特に主演の仲野大賀さんの演技は、ほんと素晴らしいです。
SNSなどでも、改めてその演技力を絶賛する声が相次いでいますね。
この記事では、ドラマ「拾われた男」のあらすじと感想を綴っていきたいと思います。
拾われた男 第1話のあらすじと感想
あらすじ
主人公の松戸諭は、俳優を目指し、故郷の西宮から単身東京へ旅立ちます。
東京では、モデルを目指す幼なじみの杉田のアパートに居候。
ある日、諭は自動販売機の下で航空券を拾ったところ、その持ち主の女性はFMCというプロダクションの社長でした。
諭は劇団・東京乾電池のオーディションを受けていましたが、その女性社長から、結果が分かったら連絡をくれるよう頼まれます。
東京乾電池のオーディションは、あえなく不合格。
約束通り、女性社長に連絡し再会すると、そのまま彼女のプロダクションに入ることとなります。
ところが、そのプロダクション・FMC(ファッション・モデル・カンパニー)は、モデルの事務所でした。
諭は役者を目指しながら、モデルからスタートする生活となりました。
そんなおり、実家から諭の兄の武志がアメリカに旅立ったという知らせをうけます。
感想
第1話からガチで面白かったです!
ストーリーに引き込まれて、あっという間に時間が過ぎてしまうくらいでした。
まず、子供時代の様子が描かれていましたが、これが秀逸。
この当時の関西の雰囲気が丁寧に再現されていました。
阪神タイガースの帽子とか、そのまんまです。
特に私は大阪出身なので、懐かしく感じましたね。
関西では、「お前は拾われた子や」と冗談で言われることが実際にあるんです。
うちの従弟とかもそう言われて、「俺は拾われた子やから」と今でも冗談で言うときがあります。
続いて、俳優さん方の演技の素晴らしいこと!
特に主演の仲野大賀さんの演技はすごかった~
関西弁もとてもうまかったし、熱量のあるコミカルな演技も、とても自然でした。
もともとこのドラマは、私の大好きな俳優さんがたくさん出演していて、期待値が高かったんです。
実際に観ると、第1話から期待を上回るクオリティで大満足!
東京乾電池のオーディションのシーンでは、柄本明さんとベンガルさんご本人が登場し、ビックリしました。
特別出演のようなものでしょうか。
まだこれから注目の俳優さんが出演するようなので、さらに期待しちゃいます。
楽しみでしかたありません。
拾われた男 第2話のあらすじと感想
あらすじ
幼なじみの杉田が恋人のヨシコとアパートから出ていくことになり、一人暮らしとなる松戸諭。
そこへ、行き先のないバイト仲間の塚本哲夫が入居し、共同生活を始めることになります。
諭は、FMCの社長のすすめもあり、役者のオーディションを受けることにしますが。
結果は散々たるもので、一つとして受かることはありませんでした。
また、バイト先のレンタルビデオ店で知り合った田畑に、諭は恋をします。
ホラー映画が大好きという田畑に調子を合わせ、彼女との距離を縮めていきます。
そして、ある日のこと、バイトでの帰り道で田畑を送っていった諭は、田畑に告白します。
田畑は諭とは友だちだからと言うものの、答えは待ってくれということになります。
その後、塚本から林という俳優を紹介してもらい、戦争映画に兵士という役柄で出演することになりました。
映画で初めてスクリーンに登場した諭は、映画を観て感動。
しかし、同じく出演した林には登場シーンはカットされ、俳優業の厳しさをを知ります。
そして、諭は田畑に告白の答えを聞きます。
答えは「ごめんなさい」…
田畑は、同じバイト先の諭の後輩である中田と付きあっていたのでした。
感想
まず、冒頭で、松尾諭さんと夏帆さんが登場するシーンがコミカルでいいですね。
ほんわかしてて、とても癒されます。
第1話でも登場していたので、これからも毎回ナビゲーターとして出演してほしいです。
そして、今回のヒロインの田畑役の松本穂香ちゃんが、めっちゃ可愛かったですね。
そりゃあ、あんな女の子が同じ職場にいたら、惚れてしまいますわな。
でも、ちょっとクセのある子でしたね。
ホラー映画のチョイスも、スプラッター・ホラーでしたし。
個人的には、グロい系は苦手で、サイコ系の方が好きです。
サイコ系は、日本映画が得意なホラー分野だと思いますしね。
で、田畑ちゃんは、結局、軽薄な女性だったのかな…
思わせぶりな素振りを、複数の男性にしていたのかもと予想しています。
松本穂香さんが演じていただけに、ちょっとショックでした。
続いて、圧巻だったのは、戦争映画のシーン。
主演の仲野大賀さんが兵卒役で奮闘していましたが、やはりすごい演技でしたね。
仲野大賀さんが、完成した映画を観て涙を流しましたが、それを見ているこちらも感動しちゃいました。
もう、ほんとに仲野大賀さんの演技が素晴らしいです!
あと、印象に残ったのは、社長役の薬師丸ひろ子さんがオーディションを受けるように勧めるところのセリフ。
「甘やかすんじゃなくて、厳しさを教えるの」
「そしたら、何が足りないか分かるわよ」
いや~、薬師丸ひろ子さんの言葉だと重みがあります。
説得力がかなり増しますよね。
ただ、本気なのか、軽い気持ちなのか分からないところがあり、つかみどころがないですね。
コミカルでかつミステリアスな演技は、これからも期待しています。
その他、FMCの社員たちと主人公の松戸諭との掛け合いが、テンポがよくて心地いいです。
ショートカットにでメガネをかけた鈴木杏さんも可愛くて、いい味出していますね。
最後に井川遥さん本人が登場しましたが、あの頃とほんとに変わらなく綺麗だったので、ビックリしました。
ご本人が登場するという演出は、粋ですね。
こういう計らいを、今後もどんどん繰り出してほしいと思います。
あ、あと、草なぎくんのゴジラのモノマネが、めっちゃうまかったです!(笑)
拾われた男 第3話のあらすじと感想
あらすじ
松戸諭は、事務所の先輩で、2002年当時大人気となった井川遥の運転手となりました。
井川遥は、ドラマやCM、ラジオに雑誌の取材など、大忙しの生活を送っていました。
ある日のこと、諭は井川はつきあってほしいと言われ、出かけることに。
その先は、何と女子プロレス場でした。
当時「癒し系」の女王とまで言われた井川遥でしたが、その中身は実はプロレスが大好きな「白熱系」女子でした。
井川遥はそんな世間のイメージとのギャップに悩みます。
諭は井川を元気づけるため、バイト先の同僚の杉浦に選んでもらった曲を車の中でかけるようになります。
井川遥は、車の中の音楽だけが楽しみというくらい、杉浦が選んだ曲を大好きになります。
諭に、杉浦にお礼を言ってくれるようにも頼みました。
杉浦は美大に通っているらしく、おしゃれでクールビューティな女性。
ある日、諭は、プロレス場で井川が口ずさんでいたジプシー・ジョーの入場曲を杉浦に見つけてもらいます。
杉浦は、諭にお礼をしてもらいたいと頼み、2人は映画に行きます。
その後の食事で、2人はいい雰囲気に。
しかし、諭は今まで散々女性に振られてきたこともあり、杉浦に告白するこができず、ただの友だちだからと言ってしまいます。
杉浦はこれに激怒。
これを機にバイトも辞めてしまいます。
彼女は諭のことが好きでしたが、諭が井川遥を選んだと思ったようでした…
その後のこと。
諭に、刑務所の囚人役という役者の仕事が舞い込みます。
現場では刑務官を演じる役者さんと同郷ということもあり、意気投合。
刑務官役の役者は、囚人を殴るシーンで、本来の相手ではなく、諭を殴ります。
ラッキーにもスクリーンに自分の姿が映し出されることになりますが。
本来殴られるはずの役者から、「運はいいかもしれないけど、芝居は全然だめだから。あんな表情は通用しないから」と言われます。
この言葉に落ち込む諭。
また、井川遥もお芝居の現場で本当の自分を理解してもらえず、ストレスがピークに。
車の中では諭と井川は険悪になり、諭は自分の部屋に井川を連れ込みます。
当然、部屋にいたバイト仲間たちはビックリ。
そこに、何故か杉浦までも乗り込んできて。
かつての可愛げな様子とは全く違った出で立ちでしたが、杉浦もまた白熱系女子で、夢であった女子プロレスラーになったとのこと。
諭の部屋はドタバタ騒ぎとなりますが。
諭と井川たちがふざけ合う姿に、向かいの事務所からのぞいていた社長の山村と日立は優しく見守るのでした。
感想
第3話のテーマは、何と言っても、井川遥さんですね。
2002年あたりのお話でしたが、あの頃、私も井川遥さん大好きで、癒されてましたね。
「空から降る一億の星」とか「私立探偵 濱マイク」とか、出演されているドラマはかなり見ました。
第3話のストーリーはどこまで本当の話なのか分かりませんが、当時大忙しで井川さんが戸惑っていたのは想像できますね。
その描き方が、まあ、ほんとリアルでした。
特に、車の中で諭演じる仲野大賀さんと井川遥さんが険悪になるシーン。
諭「それはあきませんよ。だって…僕なんか…代わりどころか、むしろ、僕やない方がええかもしれませんけど。ハルコさんの代わりはいません」
井川「います」
諭「いません」
井川「います」
諭「いません」
井川「いる!」
諭「いません!」
いやいやいや、このシーンは、ガチで凄かった…
見てて鳥肌立ちましたもん。
ちょっと泣きそうになりました。
その後、諭の部屋でプロレスごっこでどんちゃん騒ぎとなり、2人とも少しふっ切れた様子でしたが。
さすがに、このくだりは実際にあったことではないと思いますが、微笑ましくて、ホッとしましたね。
それにしても、井川遥さん、20年ほど前のご自身を演じていましたが、ほんと色あせないですよね。
前話でも少しふれましたが、あの頃と変わらず綺麗でビックリします。
諭のことを「まっちゃん」と呼んでいましたが、これも微笑ましい。
第3話の冒頭で、松尾諭さんのことを「まっちゃん」と呼んでいましたけど、いつもそう呼んでいるのかな?
そうであってほしいと思いますね。
続いて、杉浦さんとの恋愛模様。
う~ん、もったいなかったですね(汗)
ちょっと、切なかったなぁ。
ただ、ジプシー・ジョーの入場曲がすぐ分かったあたりは、その後の伏線だったとも言えますね。
次に、諭が同じ囚人役の男性に演技について酷評されるくだり。
まだまだ役者としては駆けだして、そういうことはよくあるとは思いますが。
やっぱり厳しいものがありますね。
悩んだ諭が事務所の平山平吾に、どうやったら芝居がうまくなるかを聞いたとき。
平山演じる北村有起哉さんが語った言葉が深かったです。
「ちゃんと生きるしかねえんだよ。それしかねえんだよ。役者の準備なんて」
なるほどなぁ。
例えば、岡田准一さんは、いつでも役者としての仕事ができるように、日々ストイックまでに準備をしているそうです。
映画「新選組」で共演した伊藤英明さんがその姿に感銘を受け、以後自分も同じように、役者の仕事がないときでも備えるようにしているとのことでした。
そのエピソードを思い出して、とても興味深い言葉だな~と印象に残りました。
あと、諭の部屋に井川遥さんが入ってきて、要潤さんが本人と気づかずに乗りボケするのが最高でした
「大体ね、君はね、鏡で自分の顔… えーー!」
と、そこまで引っぱるかという感じで(笑)
そして、そして。
最後に伊藤沙莉さんが登場しましたね。
伊藤沙莉ちゃん大好きです(^^♪
主要キャストのようなので、これからのたくさんの出演と素晴らしい演技に期待しています。
拾われた男 第4話のあらすじと感想
あらすじ
松戸諭は、バイト先で新人の比嘉結の指導役になります。
結には彼氏がいるらしく、逃げるように東京に来たものの、彼氏が追いかけてきてよりを戻したという話でした。
ある日、諭は、結が音楽を聴いていたので声をかけたところ、結は涙を流していました。
目にゴミが入ったとごまかす結ですが、彼女の聴いていた曲はヒップホップ。
彼氏が練習中によく聴くのがヒップホップであり、彼氏は以前ボクサーをしていたとのこと。
諭が大阪にいたころDJをやっていたという話をすると、結はいつもの乗りでDJをやってみたいと言い出します。
そして、2人でDJの機器を見に行くことになりますが、その日は諭の誕生日でした。
井川遥からも誕生日のお祝いをしたいという連絡があり、結とDJ機器を見に行った後に会うことになります。
結はお店でDJの機器を一式買うことになり、諭はその荷物を結の部屋まで運びました。
結の部屋には壁に穴が空いていたり、彼氏のレコードをかけると結がふさぎこんだ様子になったりと、不穏な空気が漂います。
彼氏に束縛されDVを受けているのではないかと感じとった諭は、そのまま結を食事に誘います。
食事の席では、自分はかなり貧乏であると言いながらも健気にふるまう結の姿にを見て、諭は落ち着かなくなり、何度もトイレに駆け込んでしまいます。
そして、とうとう、「比嘉ちゃんのことが好きかも、いや好き」と告白をします。
この告白を聞いて、涙を流す結。
しかし、結局、この日は何の進展もなく終えます。
井川遥とも会うことはできませんでした。
一方、諭と同居していたバイト先の先輩の塚本は、映画を撮ることをあきらめ、実家のお寺を継ぐことを決心します。
塚本からじかにその話を聞かされ、1人になるのが怖くなった諭は落ち込みます。
そして、結との食事に行った日から1週間後。
その間ずっと結はバイトを欠勤していたので、心配になった諭は結の部屋の近くまで訪れます。
すると、そこにバイト先の仲間である山下と吉ミラも出くわします。
諭と結を含めた4人は、居酒屋で話をすることになります。
ところが、そこに何と女性2人を引き連れた結の彼氏が乱入。
結の彼氏は、諭たちを外に連れ出します。
彼氏と連れの女性1人の話によると、結が諭に浮気をした模様。
ボクサーの彼は暴力的になり、修羅場を迎えます。
始めは結との関係を否定した諭でしたが。
自分をかばおうとする結の姿を見て、関係があると言い切ります。
結はしっかりと彼氏と向かい合うことになり、連れの女性1人を立会人として、諭は山下たちと結の部屋で待つことになりました。
部屋の中で、諭は山下から結の事情を色々と聞きます。
目標を持って頑張っているバイト先のみんなを尊敬し、特に諭のことはものすごく尊敬しているとのこと。
山下は諭に、一生懸命な結を受けとめる覚悟はあるのかを問います。
諭は、結と一緒にいたいと覚悟を明かします。
結はきっちりと彼氏と別れることができ、部屋に戻ってきました。
そして、2人は晴れてお付き合いすることとなりました。
その後、塚本は諭の部屋からも出ていき、東京を去りました。
ですが、入れ替わるように結が諭の部屋に引っ越してきて、一緒に住むことになります。
さらに、諭に役者として連続ドラマ出演の仕事が入ります。
初めてのドラマのレギュラーかつ名前のある役で、事務所のメンバーも大喜び。
諭と結は、ひとつ屋根の下、諭がドラマに出ている様子を一緒に楽しむのでした。
感想
第4話のテーマは、伊藤沙莉さん演じる比嘉結ですね。
もう、ほんと伊藤沙莉さんの演技がすごかったです。
全てが自然なんですよね。
「~っす」「さあせん」とかいう言葉遣いも違和感ありませんでした。
音楽を聴いていて泣いているシーンも、告白されて涙を流すシーンも、そんなに自然と涙が出るものかと感嘆しました。
しかも、仲野大賀さんも演技すごいじゃないですか。
なので、お二人のやりとりを見ていると、すごいリアルなんですよね。
うまく表現できないですが、もはやお芝居を越えている感じ。
ちょっと大げさかもしれないですが、それくらい満足させていただきました。
そして、比嘉結という女性はちょっと重い気がしました。
山下さんが言うように、受けとめるにはかなりの覚悟が必要だと思います。
別の記事で述べましたが、私は昔、境界性パーソナリティー障害の女性と付きあったことがあります。
そういう精神疾患を持っているとは知らずに付きあったのですが。
いや~、ほんとに辛かったです。
結局、別れることになりましたけど、私には覚悟が足りなかったんですよね。
というか、そういう女性を受けとめるには、普通の男性には無理です。
一緒に心療内科に通って担当医の先生と相談するとか、長い目で見守るしかない…
中途半端な愛情では、お互いが破滅してしまいます。
と、まぁ、比嘉結という女性を見ていて、昔の彼女を思い出してしまいました。
もちろん、結さんはそこまで酷くないですが。
DVを振るう男性と付きあってしまって、少し心が病んでしまったのかなという印象を受けます。
でも、そこに松戸諭という男性が現れて。
彼が救いになると。
どうやら、そのまま結婚するみたいですしね。
なので、諭と結が一緒になるシーンには、めっちゃ感動しました。
ちゃんとせなあかなんと思えるというか
この人のことを守りたいと思えるというか
でも、守りたいのに、何やめっちゃ守られてるという感じもあって
たまらんのです
一緒におりたいんです。
一緒におりたいんです。
その直後に結が部屋に入ってきて、私にちゃんともう一度言ってくださいとお願いし、私も一緒にいたいと言う場面ですね。
いや~、泣きそうになりましたわ。
でも、またその後に、しっかり笑いのシーンを入れるところが粋ですね。
山下「私は、大仁田厚以来だな」
結の元彼の連れの女性「寒い…」
はい、しっかりと笑わせてもらいました。
あと、伊藤沙莉ちゃんの自己紹介の後の一言。
あのセリフは、アドリブなのかなという気がします。
「東京に出て来て、すごい鼻くそが出るようになりました」
いかにも沙莉ちゃんが思いつきそうなことなので(笑)
なのに、ほんと可愛いですよね。
それと、最後に諭がレギュラー役で出演したドラマなんですが。
あれは、伊藤淳史さんが主演を務めた「電車男」じゃないですかね。
私は全話見たので、おぼろげに覚えています。
当時のネットの掲示板の書き込みも、日付が2005年となってましたしね。
この後、松尾さんは色々なドラマにレギュラー出演し、注目されるようになるので、これからのストーリーが楽しみです。
そして、塚本が監督になる夢をあきらめ、バイトを辞め、東京から去ることになりました。
演じる要潤さんもいい味だしていたので、ちょっと寂しいですね。
また、出演してくれないかな。
というわけで、第4話はとても感動するお話でした。
拾われた男 第5話のあらすじと感想
あらすじ
結とのんびりと過ごしていたある日のこと。
松戸諭のもとに、諭の母きくから電話がかかってきました。
きくによると、祖母の晴子が肺炎をこじらせ入院し状態がよくないということでした。
そのため、きくから晴子のお見舞いのために実家に戻ってきてほしいと頼まれます。
これを聞いた結は、挨拶もかねて一緒に行きたいと言い、諭と共に帰省することになりました。
実家で結を紹介したあと、皆で晴子の見舞いにいきます。
晴子は、諭の兄の武志のことを心配していました。
諭の父・平造の話によると、武志は大学を中退し、メールをしても返事がないとのこと。
そして、諭は平造から、武志に連絡してほしいと頼まれます。
その後、諭は結を連れて、近所のうどん屋を訪れます。
そこは、諭の地元の友人であった野本の家。
驚いたことに、野本は、諭と一時期東京で共同生活をしていた杉田と結婚していました。
積もる話もあるなか、杉田は諭に結婚するように勧めます。
一人前の役者となって結を守っていくようにと。
実家から東京に戻った諭は、自分の引き出しを増やすため総合格闘技も始めます。
そんな中、諭にオーディションの話が来ました。
オーディションに向け、諭は結に協力してもらいながらセリフの練習をします。
また、その合間に武志にメールも送りました。
そして、オーディション当日。
結果は散々たるものでした…
自分の名前もろくに言えず、落ち込む諭。
結が諭を励ましますが、諭は自暴自棄になります。
それでも結は役者の夢をあきらめないようにと語り、諭に気合の張り手をくらわします。
そんな中、役者としての仕事がうまくいかず不本意に過ごしている間に、祖母の晴子が亡くなってしまいました。
また、武志から、祖母に必ず会いに行くというメールの返信が来ましたが、時すでに遅し。
その後、諭にまたもやオーディションの話が舞い込みます。
スーツ着用で臨みんだオーディションは、自分の名前もしっかり言うことができ、無事に終えます。
そして、結果は見事に合格!
事務所のスタッフはもちろん大喜び。
知らせをうけた結も諭をハグして喜びました。
オーディションをうけた作品は、警備隊員がVIPをテロリストから守るというドラマで大ヒット!
諭の当たり役となり、その後、次々と仕事が来るようになりました。
この後、諭も役者一本で食べていけるようになりつつあり、周りからも結婚を促されます。
そして、プロポーズをする決心をすることなりました。
一方で、兄の武志からのメールが不愉快だった諭は、武志に家族の縁を切るというメールを送ってしまいます…
感想
第5話も、めっちゃ面白かったです。
意外だったのは、「電車男」にレギュラー出演したのに、その後しばらく役者としての仕事がなかったことですね。
てっきり、電車男のあと俳優として順風満帆に過ごしていたと思ってました。
そうじゃなかったんですね。
やっぱり厳しい世界だ…
でも、松尾さんが一躍有名になった「SP」来ましたね!
私ももちろん見てました。
映画も見ましたね。
テレビでだけど。
オーディションの「それは、人生最高の松戸諭だった」からの回想シーンにやられました。
感動した~!
SPの撮影現場の様子は、真木よう子さんは本人役で出演していたようですが、まさか濱田岳さんが犯人役で登場するとは。
しかも、お2人ともほんの少しの出番でしたね。
豪華な顔ぶれをそこまで贅沢に使うか!という感じでした。
また、おばあさんの晴子をゆみ姉さんが演じてました!
末成映薫さんです。
関西人ならおなじみの吉本新喜劇の重鎮ですよ。
登場するときの
「ごめんやしておくれやしてごめんやっしゃー」
というセリフは、全国的に有名じゃないですかね。
まさか、ゆみ姉が出演するとは思いもしませんでした。
こういう細かい配役も、ほんと痒い所に手が届くなあという印象です。
ゆみ姉さん、すごい派手でしたね。
でも、最近は、関西にあんな派手なおばあさんは見かけなくなった気がします。
そして、子供時代の家出をしたというエピソードも、すごいクオリティーが高いと感じました。
ああいう情景、よく見かけましたもん。
うどん屋で、野本のお母さんが頭をはたいて「はよ帰りや」「痛ないわ」と言うシーンとか。
関西あるあるですわ。
それと、風間杜夫さんが演じていた諭のお父さん。
結が目の前にいるのに、めっちゃうざかったですよね(汗)
ああいう親父も、ほんと関西にはよくいるんですよ。
私の父親もちょっとそういうところあります(^^;)
ただ、野本さんが少し気がかりですね。
乳がんか…
摘出手術して治ったのかな。
いつか気がめいるほど聞かしてやるって言ってましたけど。
諭のサインも、まだいわんわって言ってましたし。
これからどうなるんだろう。
う~ん、ちょっと心配です。
さて、今回も、仲野大賀さんと伊藤沙莉さんの演技が素晴らしかったですね。
諭のオーディションのセリフ合わせに付きあうシーンとか、すごいリアルでした。
どこからどこまでがお芝居?という感じでしたね。
最も印象に残ったのは、結が諭に活をいれて何度も叩くシーンかな。
一発じゃなくて、何発も叩くところが、これまた臨場感ありました。
それにしても、結ちゃん、めっちゃいい子ですね。
前回は少し心がすさんでいた様子でしたが、本来はしっかり者なんでしょう。
それと、諭のことを「まっつん」と呼んでるのがいいですね。
ほのぼのします(^^♪
伊藤沙莉ちゃんの笑顔に癒されます。
SPの出演が決まって、2人が抱き合って、
結「違うよ、まっつんがちゃんと名前を言えたからだよ」
のシーンは、ヤバかった~
泣かせるな~
あと、やっぱり、FMCの事務所の社員を演じる方々の演技もいいですね。
特に鈴木杏さんが仲野大賀さんにツッコミを入れるところが大好きです。
テンポがよくて、とても心地いいです。
いつも諭を叱っているようで、実は密かに期待している、何とかしてあげたいと思っているようですし。
いい話だなぁ。
そういう感じで、細かなところまで作りこまれているのが、この作品の素晴らしいところだと思います。
これからも期待してます。
草なぎくんの本格的な演技も早く見たいです。
拾われた男 第6話のあらすじと感想
あらすじ
松戸諭は、諸国漫遊時代浪漫活劇の仕事が決まり、京都へ撮影に行くことが決まりました。
東京に戻ったら結にプロポーズすることを決心した諭は、サプライズをしかけます。
自分の名前を書いてハンコを押した婚姻届を用意し、それを自宅に送ったのでした。
自宅で婚姻届を受け取った結は喜び、自分の名前を書きハンコを押します。
諭の京都での撮影では、役柄は一市民ですが、キスシーンがあるとのこと。
諭にとっては、初めてのキスシーンです。
諭は緊張のあまり、何度もNGを出してしまいます。
そこで、相手の女優さんから、私を彼女だと思って接してくださいというアドバイスを受け、無事にキスシーンを撮り終えることができました。
その後、撮影期間中共に過ごしているうちに、諭はその女優に恋愛感情を抱いてしまいます。
先にクランクアップした彼女を見送りますが、恋心は残ったまま。
先輩の男優さんたちは、京都に来ればよくある「京の病」であり、新幹線で東京へ帰る間に恋愛感情も消えているはずと言われます。
しかし、自宅に到着しても頭の中からその彼女の姿が離れません。
しかも、あろうことか、結にそのことを話してしまいます。
当然、結は激怒…
諭は必死に謝りますが、結の怒りはおさまりません。
幸せな舞台のはずが、いきなり修羅場と化してしまいました。
そして、婚姻予定日の2008年2月29日。
決して諭のことを許したわけではありませんでしたが、結は諭をたたき起こして、役所へ向かいます。
険悪な雰囲気のなか、婚姻届を提出し、晴れて(?)2人は夫婦となりました。
また、結は諭を連れ、そのままあいさつ回りに向かいます。
まずは、バイト先のレンタルビデオ店。
バイト仲間から祝福され、山下からはバイトを辞め、俳優一本で食べていくように言われます。
続いて、諭の所属先のFMC。
社員たちからも祝福され、ウエディングケーキをプレゼントされました。
実は、密かに結には覚悟がありました。
惚れっぽい諭のことだから、こういうことはこれからもあるだろう。
許してはいないけれども、諭と一緒に幸せになりたい…
それから月日が流れ。
諭の仕事は順調で、女の子も授かりました。
2014年には、世界公開となった映画「進撃の巨人」にも出演しました。
そして、後輩の俳優である青木崇高と飲んでいるとき、海外進出の話を聞きます。
青木に刺激された諭は英語を学び、世界中の人が見れる映像関係のプロフィールページであるIMDbにも登録します。
ある日のこと、そのIMDbを見たというアメリカの人から事務所に連絡が来ました。
ハリウッドからの主演オファーかと期待した諭でしたが。
連絡してきたのは諭の兄・武志の友人で、武志が脳卒中で倒れたという知らせでした。
さらに、その後、諭の携帯電話に連絡が来ました。
ミシガン州の医療センターからの電話で、武志が入院しているとのこと。
英語がよく聞き取れない諭でしたが、電話口からは諭の名前を呼ぶ兄・武志の声が聞こえました…
感想
いや~、結ちゃんが怖かった。
演じる伊藤沙莉さんが怖かった~
怒るのは当たり前だけど。
結のキレっぷりが、すごいリアルでしたね。
やっぱり、元ヤンだったのかぁ。
言葉遣いが荒いだけでなく、口達者でしたね。
何を言っても、勝てないわ(笑)
諭「浮気やないよ」
結「あっ、本気?別にいいけどね、本気でも」
諭「比嘉結さん、僕と結婚してください!」
結「よく他の女とキスした口で言えるね」
何を言っても、歯が立たないです(^^;)
そのシーンのなかで、結が「なんくるないさ」と何度か言ってましたが。
気になったので調べてみると、沖縄の方言で「なんとかなるよ」という意味。
さらに、「くじけずに正しい道を歩むべく努力すれば、いつか良い日が来る」というのが本来の意味だそうです。
諭に、人としての正しい道を歩みなさいと言っているのか。
結自身が、これから頑張って良い日が来るようにと願っているのか。
ともかくも、役者の妻として、これから起こるであろうことを想像したのかなと。
バイト先に結婚の報告をしたシーンは、感動しました。
あれは、泣けるわ~
山下「初めてだな。この店から夢をかなえてやめていく人間は」
感慨深い言葉でした。
山下さんとハグしたシーンは印象に残ります。
忘れらないですね。
また、FMC社長が諭に語った「俳優と結婚するってすごく大変なことだって、あなたがちゃんと分かりなさいよ」という言葉が深いですね。
薬師丸ひろ子さんのセリフだっただけに、すごく説得力がありました。
第4話で結と付きあうときは、諭に結を受けとめる覚悟が必要という話でしたが。
今回は全く逆でしたね。
普通に考えて、俳優と結婚するにはかなり勇気がいります。
いつ仕事がなくなるか分からないし。
人気が出て有名になるほど、周りが騒がしくなりますし。
マスコミに追いかけられたり。
そういう当たり前のことを忘れてました。
憧れの俳優さんやタレントさんと結婚できたらなぁと、誰でも思ったことはあるでしょう。
でも、現実はとても厳しいもの。
私にはそれだけの覚悟はないです。
やっぱり、結はめっちゃしっかりしてますね。
実際はどうなのか分からないですが、松尾さんが尻にしかれている姿を想像してしまいます(笑)
ただ、ちょっと残念だったのは、結婚してから月日が流れて一気に2014年になったこと。
その間のエピソードも見たかったなあと思います。
それと、青木崇高さんとのやりとりも、もっと見たかったですね。
ご本人役で登場してましたが、諭との会話シーンはとても自然でした。
前回の真木よう子さんと濱田岳さんもそうでしたが、贅沢な演出ですね。
あと、月日が流れて、伊藤沙莉さんがすっかりお母さんになってました。
娘の福子ちゃんが泣き出したときに、そっと頭をなでてあやすシーンとか様になってました。
さすがだわ~
でも、この後の展開がちょっと怖いです。
たまたま、松尾さんのお兄さんの話を聞いてしまったので。
まじかーと思いましたが、見守るしかないですね。
これからも楽しみですが、また泣かされるんだろうなぁと思う次第です。
拾われた男 第7話のあらすじと感想
あらすじ
兄・武志が倒れたという知らせを受け、諭はアメリカへ行くことになりました。
諭にとっては初めての海外旅行となります。
諭と武志が初めて外国に興味を持ったのは、祖母・晴子のお土産がきっかけでした。
その中に、大きなクモのタランチュラがありました。
空港では、武志の親友だというウッディに出迎えられます。
ウッディの話では、武志の弟が俳優であることを思い出し、IMDbで探して諭を見つけたとのこと。
諭はウッディに連れられ、武志が入院している病院に到着します。
兄とは実に15年ぶりの再会。
武志は治療室から出てきましたが、車いすに腰掛け、変わり果てた姿…
脳梗塞を患い、左半身がまひしている状態でした。
しかも、ソーシャルワーカーから、武志は保険に入っていないので、治療費が10万ドルかかると告げられます。
後に日本領事館の人とも会わなければいけないということでした。
悩む諭でしたが、ウッディに連れられ、武志が働いているレストランに向かいます。
レストランの店名はVGF(Verry Good Food)で、色々な国から来た人たちが働いていました。
武志の弟であるということで、諭は大歓迎をうけました。
武志は従業員たちをよく笑わせ、職場を明るくしてくれた。
家族のような存在で、皆のアイドルだったと従業員たちは語ります。
ウッディからは、武志には日本のトムクルーズみないな弟がいると言われていた様子。
諭は武志の家に泊まろうと考えていましたが。
レストランの人たちから、エイドリアンというバグレディがいるからやめた方がいいと言われ、武志の病室に泊まることになりました。
次の日の朝、諭は起きてすぐに、武志のおむつを替えるという看護師の手伝いをさせられます。
その後、日本領事館の人がやって来て、会うことになります。
日本領事館の話によると、武志はビザもパスポートも失効し、長年にわたって不法滞在をしていたのでした。
すぐに日本に帰らなければならないのですが、武志は帰らないと言い張ります。
さすがに激怒した諭でしたが、そこに「ダッド!」と叫ぶ小さな男の子が現れます。
ウッディの話では、男の子はエイドリアンの息子で、名をショーンといい、武志に懐いているとのこと。
そして、ウッディは自分の仕事場に諭を連れていきます。
ウッディは、武志が売れっ子の俳優となった諭のことを誇りに思っていたと語ります。
仕事場で、ウッディが自主映画を流がしましたが、そこに武志と一人の女性が出ていました。
その女性こそ、エイドリアンその人でした。
映像の中には、祖母からのお土産であるタランチュラもありました。
武志が身体を壊したのはエイドリアンのせいであり、そのためウッディはバグレディ(虫女)というあだ名をつけてしまいました。
ですが、武志は祖母からもらった100万円を落としてしまい、エイドリアンが武志をレストランのVGFに紹介し、不法滞在でも何とかアメリカで暮らすことができていたのでした。
仕事熱心な武志は、たちまちVGFの人気者になります。
エイドリアンが女優としてハリウッドに旅立ったときも、太巻きを作って門出を祝いました。
やがて、諭とウッディは、武志の家に到着します。
武志の家は散らかっていましたが、諭を紹介した記事の切り抜きや、祖母からのお土産のタランチュラもありました。
そこへエイドリアンが帰ってきます。
ウッディはエイドリアンに諭を紹介しますが、彼女の態度はそっけないものでした。
しかし、諭はなぜ武志が日本に帰ろうとしないのか、その理由をエイドリアンに聞くことになります。
感想
今回は、今までとは少し雰囲気が変わりました。
渡米したということもありますが、兄の武志を中心に物語が進んだからでしょう。
バイト先の人たちは出てこないし、結やFMCの社員たちも始めだけしか登場しませんでした。
それが、さらに場の空気を変えたのだと思います。
そして。
やはり、草なぎ君の演技がとても印象に残りました。
特に仲野大賀さんとの会話のシーンは、怖いくらいでした。
その他、15年ぶりに弟に再会して、ゆっくりと手をあげて挨拶するところとか。
元気だったときに、ギャグを連発してはじける姿とか。
すごい見応えがありましたね。
さすがだわ…
それと、草なぎ君の英語が、これまた流暢でした。
韓国語がペラペラなのは知ってましたが、英語も習ってたのかな?
ほんと、すごい英語がうまかったですね。
おむつを替えられるとき、「Someone help me」の後のくだりが面白かったです。
ここでその言葉を書くと物騒なので、ぼかしますが。
ウイットのきいたブラックジョークのような感じでした。
武志の人となりが理解できるエピソードです。
ああいう台詞回しをしてきたんだなぁというのが、よく伝わりますね。
さて、諭は兄のことを嫌っていたようですが。
武志の方は、どうやら弟のことを嫌ってはいなかったようです。
しかも、アメリカに行ってからも家族のことをずっと想っていたようなふしがあります。
おばあちゃんからもらったタランチュラを持ってましたし。
自主製作映画で、「おばあちゃん、ごめんな~」と叫んでましたしね。
続きを見ていないので分かりませんが、日本に帰らない理由もかなり深いものがありそうです。
何で帰ろうとしないのか、とても気になります。
そういう事情もあってか、先ほど述べたように、今までとは雰囲気が違いました。
今回は空気がどんよりして重かった…
コミカルなシーンも結構ありましたけど。
諭がウッディに、時々日本語でつっこむところとか。
ソーシャルワーカーの女性に手を握られたあと、日本領事館の男性に同じように手を握られたら、手を引っ込めるところとか。
そういう細かな笑いを入れるところは、相変わらず見事です。
ただ、それでも、いつものようには笑えないんですよね。
それと、毎回感動して泣きそうになるシーンがあったのですが。
今回は、それもありませんでした。
感動するというよりは、沈痛になるという感じかな。
武志にスポットが当てられて、そんな流れになったのだと思います。
で、ふと気づいたのは、この空気を作ったのは、草なぎ君の演技ではないかと…
それを考えると、草なぎ君、恐るべしですね。
これは、ヤバいことになったなぁ~
とりあえず、早く続きが見たいです。
拾われた男 第8話のあらすじと感想
あらすじ
エイドリアンが話し始めました。
エイドリアンは俳優として食べていくことができず、10年前の2005年にハリウッドから戻ってきました。
どこも厳しい状態で、VGFでも彼女を雇うことはできません。
しかも、エイドリアンは妊娠していました。
そんなときに武志は、祖母の晴子が入院したという諭からの知らせを受け取ります。
日本に一度帰国しようとした武志でしたが、エイドリアンがこれから生まれてくる子供のことが心配で武志に泣きついてきました。
武志は彼女を支えることを約束し、帰ることができませんでした。
武志が日本に帰れなかったのはエイドリアンのせいだと思われましたが、エイドリアンは別の理由があると言います。
実は、諭が家族の縁を切るというメールを送ったのは、武志がエイドリアンと息子を支えているときでした。
このメールを見てから、武志は人が変わったとエイドリアンは言います。
これを聞いた諭は、自分の責任を感じます。
そこへ、エイドリアンの息子のショーンがやってきます。
ショーンは、武志が嘘つきだと叫びます。
諭はショーンに詳しい話を聞きます。
ショーンは友人にバカにされたのが悔しくて、一緒にキャッチボールをしていた武志が日本の有名な野球選手だったとウソをついてしまいます。
その嘘に武志がつき合い、武志は自分はすごいピッチャーだったと言います。
さらに、自分が100マイルの球を投げ、それをショーンが打つという約束をしてしまいます。
その約束の日。
武志がボールを投げようとしたときに、武志は倒れたのでした。
あきれた諭は、ショーンに謝ります。
ところが、これを聞いていたウッディは、ショーンと武志の”ジンギ”の物語として映画にできると喜びます。
きっと、武志は100マイルの球を投げると。
その後、諭は武志の病室に戻りました。
諭は、ウソをついた兄にどうするつもりなのかと怒ります。
また、小さい時にスペシウム光線のギャグをされた時から、ずっと嫌いだったとも語ります。
ですが、武志は、不安そうな諭を安心させようと笑わせるためだったと言います。
とりあえず、諭は両親に見せるための武志との2ショット写真を撮ります。
そして、諭は一旦日本に帰ることになりました。
諭の帰国後、武志の事情を聞かされた母・きくは、武志を迎えにアメリカに行こうと夫の平造に言います。
しかし、平造は勝手に出ていった息子に用はないと言い張り、2人は大ゲンカをしてしまいます。
諭もまた、自宅で荒れ模様。
事務所でも武志の治療費1,000万をどうするか相談しますが、さすがに前借りはできません。
諭は2ヶ月後に再びアメリカに行く予定でしたが、ちょうど1ヶ月後に映画「シンゴジラ」の撮影が始まることが決定していました。
諭はシンゴジラの映画に出演することを決意します。
そんな諭に対し、事務所の社長の山村ひろ子は覚悟を問います。
そして、諭は事務所の先輩俳優である平山と一緒に、荒武者ピアスのくだりをとなえます。
平山は、荒武者ピアスは一国の王に戦いを挑む話であり、諭に覚悟の問題だと説きます。
事務所から諭は帰宅しますが、そこには母のきくの姿がありました。
きくは平造と喧嘩したこともあり、自暴自棄になっていました。
諭はきくとこれからの相談をしますが、話はまとまりません。
そんなきくでしたが、あっという間に諭の自宅をあとにしました。
諭がセリフの練習をしていたところ、今度は父の平造が訪ねてきました。
混乱する諭でしたが、結が平造の相手をし、諭はセリフの練習にはげみます。
やがて、映画の撮影が始まりました。
ところが、諭は台本を忘れてしまいます。
そこへ、結が娘の福子と平造を連れて台本を届けに来ました。
諭は戸惑いますが、撮影所にやってきた3人は撮影の風景を見学することになります。
その日の撮影が終わったあと、諭は平造と2人で飲みに行くことになります。
諭は、そこで初めて弱気になる父を見ました。
それとは逆に、初めて強気になる母。
兄をめぐって、家族のかたちがガラッと変わっていく…
それを招いたのは自分のだったのかもしれないと考える諭。
そして、諭はなくしたものを探しに、再びアメリカへ旅立つのでした。
感想
武志の事情が少しずつ明らかになり、前回よりはずっと明るい雰囲気でした。
物語の後半は、諭が帰国し、結の姿や事務所の人たちの様子も描かれていましたしね。
それでも、どんよりした空気は残ってますし、何より武志がかわいそうでした。
タイミングが悪すぎるなぁ~
あんな風にエイドリアンに泣きつかれたら、何とかしてあげよう!となりますよね。
そこへ、諭の縁を切るというメールでしょ。
確かに諭がもっと冷静になるべきだったのかもしれませんが、お互いが大変な状態でしたからね。
やっぱり、兄弟が腹を割って話せる仲でなかったのが大きな原因なのかなという印象をうけました。
あ~、それと、両親にも責任があるかも。
息子の諭に任せっぱなしでしたからね。
ほんのちょっとのすれ違いが、後々取り返しのつかない事態になってしまう…
それを目の当たりにしたという感じでした。
そして、草なぎ君の演技がそれを見事に体現していたという印象です。
ひょうひょうとしているんだけど、やっぱり痛々しいですね。
特に兄弟の会話のシーンは緊張感があります。
今まで腹を割って話せなかったのは、小さなボタンの掛け違いなんだけど。
それが尾を引いてしまって、収拾がつかない関係となってます。
難しいなぁ。
唯一、諭とショーンの会話はコミカルで救いがあったという感じです。
武志がマサオ・キダであるとウソをついて、ショーンが検索して木田優夫さんの顔で出てきたところは、めっちゃウケました(笑)
諭「ホンマ、そういうところあんねん、アホやねん、すまん、ベリーソーリー」
ショーン「アナタ ワルクナイ」
というやりとりが、すごいよかったです。
それを聞いていたウッディは、ちょっとウザかったですが(^^;)
さて、諭の帰国後の様子もコミカルでしたが、ちょっと哀愁がただよってました。
両親がケンカをするシーンとか。
風間杜夫さんと石野真子さんの言い争いは、怖いくらいリアルでしたね。
さらに、ラスト近くで、父の平造が「あいつとまた家族やれるんやろか」とつぶやくシーンとか。
FMCの事務所で、平山から荒武者ピアスのくだりを聞かされるところとか。
私は「ハムレット」読んだし、戯曲とかも見ましたけど、荒武者ピアスは知りませんでした。
確かに復讐劇で、そういうシーンはあるのですが、記憶にないんですよ。
で、その荒武者ピアスのくだりをずっと唱えるというのは、本当にあったのかなと。
だとしたら、とても興味深いと思いました。
ドラマや映画というよりは、舞台の特訓という感じですね。
また、月日が流れたあとの薬師丸ひろ子さんの雰囲気が、かなり変わりました。
バイト仲間の吉ミラにちょっと似てましたね(笑)
薬師丸ひろ子さんを始めとするFMC事務所の様子が、とても好きです。
このドラマで、一番和む場面ですね。
あと、諭と結の娘の福子ちゃんがかわいかった~
諭がセリフの演習をしているとき「まずは、お父さんが冷静になれ」
シンゴジラの撮影現場で「はい、段取りいきま~す!」「お父ちゃん、下手や」
ちょっとした笑いを入れるところは、さすがです。
ショーンを演じている男の子もそうでしたが、今回は2人の子役の演技が面白くて癒される場面が多かったです。
そして、結がとてもしっかりしてましたね。
すごく器量のいい奥さんでした。
演じている伊藤沙莉さんが、どんどん素敵なお母さんになっています。
ほんと、諭はいいお嫁さんにめぐり合えましたね。
さて、残すところは、あと2話ですか。
諭は再びアメリカに渡るようですが、どうなるんでしょう。
武志だけでなく、エイドリアンやショーンも気になります。
特にエイドリアンは、諭とショーンが話しているとき、神妙な顔つきで見守っていましたからね。
おそらく、この後の物語に大きく関わってくるものと予想します。
拾われた男 第9話のあらすじと感想
あらすじ
諭は父の平造と飲んでいるとき、平造から武志が小学生のときに家出をしたときの話をします。
武志はテレビの漫才を見ていたとき、「ほんまはこいつ、コレです」というところで爆笑が起こりました。
母のきくは「普通やと思ってた」と話しますが、武志は「普通ってなんなん?」と問いかけます。
「普通は普通や」という父の言葉に納得いかず、武志は家出をしました。
そのとき、武志は祖母の晴子の家に転がり込んだのでした。
武志は、男の人が男の人を好きになるのはおかしいことなのかを祖母に尋ねます。
晴子はおかしなことはない、そういう人はたくさんいると話します。
しかも、男性も女性も好きな男性や女性もいるという話もします。
そして、生きやすい場所で生きやすい人たちと生きていけばいいと語ります。
それから時が経った1999年のある日、武志はアメリカに行くことを決めます。
反対する平造と言い争いになりますが、父にうんざりいしていた武志はそのまま旅立ってしまいました。
諭と一緒に飲んでいた平造は、そんなことがあったため、武志が日本に帰ってこないのは自分のせいではないかと語ります。
落ち込む平造でしたが、2日後、自宅へと帰っていきました。
そして、2か月後。
諭は事務所で前借りをし、アメリカへの航空券をもらいます。
実はその前に、父の平造が事務所にやってきて、1000万円を貸してほしいと頼み込んでいたのでした。
翌日、諭は再び渡米することになりますが、平造から意味深に渡されたものを持って旅立ちました。
アメリカで武志に会った諭でしたが、武志はなおも帰らないと言い張ります。
VGFのメンバーの話では、エイドリアンやショーンのこともあり、みんな気持ちの整理がついていないのだと。
諭は武志の自宅に行き、帰国に備えて荷物の処分をします。
その荷物の中に、2人が小さい頃の家族写真がありました。
一方、武志はリハビリを懸命に続けます。
それは、ショーンのために100マイルの球を投げるためでした。
エイドリアンは今までお世話になり、またショーンがバカにされるところを見たくないということで、武志に帰国するように勧めます。
しかし、武志はショーンの前で100マイルの球を投げ、エイドリアンにも見てほしいと言います。
ところが、武志は例のスペシウム光線のギャグをしたので、エイドリアンは怒って病室から出ていってしまいます。
そこへ入れ違うように、ウッディがやってきました。
武志はウッディに、自分がいなくなったらエイドリアンとショーンのことを守ってほしいとお願いします。
そのまた一方で、諭はショーンの元へ向かいます。
ショーンは友人たちにバカにされていました。
それを見た諭はショーンに、スペシウム光線の話をします。
ウルトラマンの必殺技であり、ウルトラマンは3分間は無敵である。
もしかしたら、武志も3分間だけ復活するかもしれないと。
そして、諭はショーンのバッティング練習に付き合いました。
やがて、諭は病室に戻ります。
諭は武志に、預かっていた父・平造の荷物を渡します。
そこには、阪神タイガースのユニホームや野球道具がありました。
武志は小さい頃に甲子園に行った思い出を語ります。
また、父・平造が150kmの球を投げると言い出し、インチキをした話も出てきました。
武志は諭に、自分の代わりに球を投げてくれと頼みます。
そこへ領事館の職員がやって来て、武志のパスポートを持ってきました。
それは、武志が日本へ帰るためだけの片道パスポートでした。
さらに職員の知らせでは、低所得者向けのプログラムが武志に適用され、10万ドルの医療費がチャラになったとのこと。
また、VGFのペドロ・マルティネスからの預かりものでマスクを渡されます。
そして、ショーンとの約束の日がやってきました。
しかし、武志は姿を現しません。
武志は病室から出てショーンの姿を見ようとしているところでした。
ショーンも友人たちも、武志は逃げたと思って帰ろうとします。
ウッディは引きとめますが、エイドリアンも武志はがんばったと声をかけ、あきらめます。
と、そこへ…
六甲おろしの曲と共に、マスクを被った人物が登場します。
それは、兄から託され芝居をうった諭の姿でした。
感想
まず、武志が家出をしたときの、晴子おばあさんの言葉が印象に残りました。
「世界にはな、想像つかんことが 山ほどあんねん」
「人はな、その想像つかんことに出くわすと、びっくりして喜ぶもんと差別して拒否したりするもんもおんねん」
「弱いねんで人は。せやから、ずっといがみ合うてんねん」
「そやから、まずは自分が生きやすい場所で生きやすい人たちと生きていけばええねん」
「日本やのうても、地球やのうても、ええねん」
「絶対見つかるからな」
めっちゃ深い言葉ですね…
心に響きます。
特に現代という時代では。
武志は小さい頃から、色々悩みがあったようです。
まぁ、当たり前かな。
でも、いつもスカしてる体で描かれているので、なかなか気づくことはできませんね。
で、その晴子を演じたゆみ姉さん、すごい存在感ありました。
吉本新喜劇では、いつも笑わせてもらっていましたが。
いや~、今回はとても和やかにしてもらったという感じです。
第5話で登場してから、もう出演することはないかなと思っていただけに、余計に印象に残りました。
続いて、「野生の象徴」というビデオ?
おそらく、エッチなビデオのことですね。
そんなタイトルほんとにあったのかな?(笑)
武志が父・平造に「お前は 鞭が好きやろ!」と吐き捨てるシーンはウケました。
色々な家族の秘密が明らかになるとはいえ、それを絡めてくるか!というのはありますね。
さすが凝った演出だな~と。
諭「ダイバーシティや!」
も、コテコテでしたが面白かったです。
風間杜夫さん、ほんとウザい父親を演じましたね。
さすがだなぁ。
ああいう厚かましい親父は関西によくいますけど(汗)
さて、第9話も切ない場面がいっぱいありました。
平造父ちゃんも、何だかんだでかわいそうですね。
お母さんのきくも。
武志がウッディにエイドリアンとショーンのことを頼んだあとに、2人がハグするシーンとか。
ウッディは登場したときからノリが軽い感じでしたが、このときはさずがにとても悲しい顔をしてました。
そりゃあ、そうなるわな~
そして、ずっと流れてた「六甲おろし」。
私も阪神ファンなので、甲子園でよく合唱しました。
カラオケで歌ったこともあります。
ただ、大阪や兵庫でも、意外と巨人ファンの人が多かったりするんですけどね。
で、その六甲おろしが壮大なテーマ曲になるとは思いもしませんでした。
六甲おろしを聞いて、まさかウルウルしてしまうとはなぁ…
母のきくが、諭と武志が小学生のときの声で歌っているカセットテープを聞いて、涙を流してたじゃないですか。
あれは、泣くわ~
私と同じように阪神ファンの人にとっては、とても贅沢な演出ですね。
満喫させてもらいました。
ありがとうございます。
残すはあと1話のみとなりました。
次で最終回です。
100マイル=160kmの球を投げるなんて、まず無理だと思いますけど。
どうなるんでしょう?
うまくいってほしいなぁ…
この伏線をどうやって回収するのか、気になります。
で、やっぱり、まだ終わってほしくないという気持ちになりますね。