もう20年近く前になりますが、私は境界性人格障害の女性と付き合っていたことがあります。

期間にすると、約2年間。

この期間は今でも思い出すと憂うつな気分になり、トラウマになっていることがたくさんあります。

この記事では、境界性人格障害の女性の特徴や病気の原因、男性にとっては魅力的に映るというけれど実際はどうなのか?について語っていこうと思います。

ただし、あくまで個人的経験に基づくお話であり、学術的・医学的見地に基づくものではないことをご了承ください。

私と彼女の出会い

まずは彼女との出会いから別れるまでの話をさせていただきます。

少し長くなりますが、お付き合いくださいませ。

私が大学4年生のときファミレスでアルバイトをしていましたが、その年の初夏に彼女が新しくアルバイトとして入ってきました。

そのときの第一印象は…

彼女には申し訳ないですが、正直、あまり可愛くない女の子で、パッとしない女の子という印象でした。

実際、他の男子のアルバイトたちも、「可愛くない子が入ってきたね~」と言っていました(汗)

彼女の方も、私の第一印象は特に覚えていないらしく、何の特別な感情もなかったそうです。

そんな2人が付き合うようになったわけですが。

そのきっかけは、たまたま休憩室で彼女と2人になったとき、彼女が自分の身の上話を始めたことでした。

彼女はいわゆるアダルトチルドレンで、精神的に不安定なところがあるという話でしたね。

それ以来、彼女は私に対して心を打ち明けたのか、やたらと私に話をするようになりました。

私もそれに応じてよく話すようになりました。

そのうち、彼女は私のことが好きになったとのことでした。

そして、彼女の方から告白されました。

一方で、私の気持ちはどうだったかというと。

特別な恋愛感情というものはなかったのですが、やたらと心配をかける女の子だなぁと気にかかる存在ではありました。

ですが、それは恋愛感情というよりも、情が移ったという感覚に近く、もっと言えば、同情に近い感情でした。

同情に近い感情という時点で、ちょっと酷な話ですね…

そういう気持ちではありましたが、彼女の告白を受け入れ付き合うことになりました。

境界性人格障害という病の特徴

付き合って間もないころ、彼女がなぜ私のことが好きになったのかという話がありました。

そのとき、彼女は次のように言いました。

「この人と一緒になれば、私はまともな人間になれると思って、利用しようと思って好きになった」

。。。

うん?「利用しようと思って」?

「利用する」ってどういうこと?

それは本当に私のことが好きなの?

混乱してしまい、思わず彼女に問い詰めてしまいました。

さすがに彼女も自分の言ったことがまずかったことに気付き、涙を流しながら謝りました。

それでも、私のことが好きなことには変わりはないとのこと。

しかし、「利用する」という言葉が私の中ではどうしてもひっかかりました。

これから先うまくやっていけるのだろうか?

かといって、私の方も同情に近い感情で付き合ったわけです。

彼女だけを責めることはできないでしょう。

振り返ってみると、付き合い始めたときにすでに、私と彼女はうまくいかないのは明白だったと思います。

一度目の浮気

付き合ってからちょうど1年目のことです。

私は大学を卒業し、IT系の会社に就職しました。

彼女はそのままファミレスのバイトを続けていました。

そんなとある真夏の日のこと。

彼女の様子がどうもおかしい…

それとなくそのことを彼女に尋ねてみると、あっさりとこれからある人と会う約束をしていると答えました。

そして、その男性と浮気をしていたことまで告白しました。

しかも、その男性とは私もよく知っているファミレスでアルバイトをしている男性でした。

じゃあ、これからどうするのか?

彼女は浮気をしたことを詫びて、私とやり直したいと言ってきました。

私も彼女をことをよく知っているファミレスのお母さん的存在の人に相談し、彼女に対しても気持ちは残っていたので、やり直すことにしました。

このときの彼女の言葉もいまだに忘れられませんね。

「私はこれからあなたの奴隷になります」

いやいや、そういう表現をしなくてもいいやん(汗)

しかし、やり直したのはいいものの、このときから地獄の日々を送ることになるのでした。

繰り返す自殺行為

やり直すことになってからある日のこと、会社で仕事をしていると、携帯電話に着信がありました。

かかってきた電話の相手を見ると、彼女のアルバイト先のファミレス…

このときに、悪い予感がしました。

電話をとると、その予感は的中。

仕事中に彼女が行方不明になったとのことでした。

彼女が行きそうな心当たりの場所はある?と聞かれ、いくつかの場所を探してもらいました。

しかし、彼女は見つからず。

すると、しばらくしてからファミレスの方に電話があり、お店の屋根に彼女が倒れているとのことでした。

その連絡を受け、私は少し早く会社を退社し、彼女のアルバイト先のファミレスに直行しました。

彼女は休憩室のトイレにこもったきりで、まったく出てきませんでした。

他のアルバイトの人たちにも迷惑なので、なかば強引に彼女をトイレから引っ張り出しました。

そのときの彼女はぐったりしており、トイレでずっと吐き続けていた様子でした。

そのまま彼女をおんぶして、彼女の部屋まで送りました。

部屋についてから何があったのかを聞くと、精神安定剤20錠と風邪薬1ビン40錠を一気飲みしたとのこと(爆)

ほんとドン引きしましたが、そりゃあ、何時間もトイレで吐き続けますわな(汗)

また、後で知ったことですが、「今回の浮気があったことで彼女が少し強くなった気がする」と、私が話したことがあるんです。

それを、私が彼女から離れようとしていると解釈したようで、このような行為を引き起こしたということでした。

そして、それからというもの、彼女は自殺行為や自傷行為を何度も繰り返し、突然行方をくらますということもありました。

あるときは、私が友人と電話をしている間に彼女がいなくなり、探していると私の携帯に彼女が電話をかけてきて。

電話に出ると「ここだよ~」という声が聞こえ、辺りを見回すと、10数階建てのマンションの最上階の手すりに腰をかけ、手を振っていました…

この光景は、一生忘れることはできないでしょう(;;)

また、私が出かけているときは、1日に何度も携帯に電話をかけてきて、つかまらないときは着信が10件とか当たり前でした。

あるときは、彼女が約束を破ったので、それをメールで注意したら、

「ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい …」という言葉で埋め尽くされたメールを返信してきました。

このときも、正直、ゾッとしましたね(;;)

そういうわけで、このころは、当然ですが私は疲労困憊で、毎日憂鬱な日々を過ごしていました。

彼女が自殺行為を起こしたり、行方不明になるたびに会社を早退したので、会社からの信頼も徐々に失くしていきましたしね。

そんなこんなで色んなことがありましたが、彼女の精神も少しずつ安定し、いつしか彼女の方から私を気遣ってくれるようにまでなりました。

しかし、そんな束の間の休息も長くは続きませんでした…

2回目の浮気

彼女と付き合ってからちょうど2年目の夏のことです。

またもや彼女の様子がおかしくなりました。

そしてある日のこと、2年も会っていない男性の友達と飲みに行くと言い出しました。

もう、その時点で怪しいですよね(汗)

その次の日、彼女から別れを切り出されました。

私に対して生理的に受け付けなくなり、その男性と飲みに行った日、そのままラブホテルに入って…ということでした。

そして、その男性の友達に恋愛感情はないけれども、セフレとしてやっていくと言い出しました。

しかも、避妊薬のピルを飲みながら。

まあ、ほんといきなりの話で、寝耳に水です。

よく、そんなことができるものだなと、怒り心頭でみじめで悲しい気持ちでいっぱいでしたが、私もそれを受け入れ別れることになりました。

ただ、2回目の浮気に至るまでは彼女だけが悪いんではないんです。

私も1回目の浮気があってから、ちょっとしたことで過剰反応し、やたらと彼女を責めることがよくありました。

今で言うと、パワハラに近いものだと思います。

そういうことが続くと、そりゃあ、相手も耐えられなくなってきますよね。

それが原因で、彼女の気持ちが私から離れ、安心できる相手を探し求めたというところがあります。

この点に関しては、今でも彼女に対して悪かったと思っていますし、二度とそういう過ちは犯さないと反省しています。

自傷行為とはどういったもの?

自傷行為とは、名前の通り、自分を傷つける行動のことです。

とは言っても、具体的にどういう行為なのか、よく分からない方もいらっしゃると思います。

私の彼女の場合は、自分の手首や腕をよくハサミで傷つけていました。

いわゆるリストカットと言われるものです。

自傷行為に及ぶときは、自分が許せなかったり、罪悪感にかられたりしたときです。

私に怒られたときは、決まってリストカットをしていました。

あと、浮気がばれたときですね。

そうやって、自分が許せなくて自分を傷つけてしまうようです。

また、そういう行為を見せつけることで、私に許しを求めていたふしがあります。

もちろん、彼女がリストカットをしているのに気付いたときは私は止めましたが、出血するくらい何度もハサミで自分の手首や腕を切りつけていました。

特に傷が深いときは、火傷のあとのように傷跡が残りました。

ハッキリとは分かりませんが、おそらく今も彼女の手首や腕には傷跡が残っていると思います。

その後、彼女はどうなったか?

彼女と別れたあと、私はかなり憂うつな日々を過ごしましたが、何とか歯を食いしばって仕事を休むことはありませんでした。

幸いにも、私と彼女の仲をよく知っていて、気遣ってくれる友人もいましたしね。

とりあえず、新しい出会いも求め、前を向いて生きていこうと決心しました。

そんなある日のこと。

夜の9時ごろだったでしょうか。

私の携帯に着信がありました。

電話の相手を見ると、まさかの別れた彼女でした…

おそるおそる電話に出ると、聞こえてくるのは彼女の泣き声。

そして、彼女が泣きながら言うには、私の存在が大きくて忘れることができないということでした。

なんじゃ、そりゃぁ~(*_*;

今さらどうこうできることもなく、私の存在が大きかったからといって、また再びやり直したいというわけでもない様子です。

ただ単に声を聞きたかっただけなのかもしれません。

ともかくも、泣いている彼女を放っておくわけにもいかないので、

「俺も同じ気持ちだから、いつかやり直せたらやり直そう。何かあったら連絡してきてくれてもいいから」と言って、落ち着かせました。

その電話があってから、彼女からわりと頻繁に連絡が来るようになり、色々と相談に乗るようになりました。

部屋に来てほしいと言われて、彼女の部屋に行ったこともあります。

ただし、その間も例のセフレの男性とは関係を続けていたようですが(^^;)

このころも、自分は彼女にとってどういう存在なんだろうと思うところがありました。

何だかよく分からない関係性ですよね。

そういう疑問を持ちながらも、彼女との不思議な関係は続いていたのですが。

だんだんとお互い連絡をとることが少なりなり、いつしか自然消滅してしまいました。

現在も音信普通で、私の方も新しいパートナーと出会い結婚もし子供もできて、それなりに幸せな日々を送っている状態です。

そして、人づてで聞いた話では、彼女も新しい男性と出会い結婚し子供もできて生活しているとのことでした。

境界性人格障害の原因

私の彼女のケース

境界性人格障害になってしまう原因は人によって様々でしょう。

私の彼女の場合は、小学生のときに父親を亡くしたことのようです。

突然死だったようで、幼い彼女にとって受け入れきれない現実だったのでしょう。

何が起こったのかさえ、よく分からなかったと言っていました。

それがきっかけで心療内科に通うことになり、不登校、引きこもり、過食と拒食の繰り返しという生活を送っていました。

そのため、父親の愛情を十分に受けずに育ったので、愛情の喪失感、欠乏感が常につきまとっていたようです。

その愛情不足を補うために私を好きになり、私に対して父親像を重ねていた。

何をしても許される絶対的な愛情…

それを私に求めていたようです。

境界性人格障害の医学的診断基準

一般に境界性人格障害の診断には、米国精神医学会が発行している精神障害の診断と統計マニュアル第5版(DSM-5)が基準になります。

以下の項目の5つ以上に当てはまると、境界性人格障害と診断されます。

  • 見捨てられること(実際のものまたは想像上のもの)を避けるため必死で努力する
  • 不安定で激しい人間関係をもち,相手の理想化と低評価との間を揺れ動く
  • 不安定な自己像または自己感覚
  • 自らに害を及ぼしうる2領域以上での衝動性(例,安全ではない性行為,過食,向こう見ずな運転)
  • 反復的な自殺行動,自殺演技,もしくは自殺の脅しまたは自傷行為
  • 気分の急激な変化(通常は数時間しか続かず,数日以上続くことはまれ)
  • 持続的な空虚感
  • 不適切な強い怒りまたは怒りのコントロールに関する問題
  • ストレスにより引き起こされる一時的な妄想性思考または重度の解離症状

これを見れば、一目瞭然ですね。

私の彼女にはほぼ全ての項目が当てはまります。

境界性人格障害の女性は魅力的なのか?

境界性人格障害の女性は魅力的な女性が多いと言われることがあります。

ですが、先にも述べた通り、私の彼女は容姿も性格も魅力的とは言い難い。

まあ、ほんとに彼女には失礼な話にはなりますが、友人たちに自分の彼女と紹介するのが気が引けるくらいでした。

私の親友の1人に正直な感想を聞いたことがありますが、そのときの彼の言葉は「おまえ、えらいところを引いてしまったな」というものでしたしね(爆)

しかし、彼女が全く魅力的でないかというとそうではなく、言い寄ってくる男性は結構いたようです。

私の前の彼氏もそうでしたし、1回目の浮気の相手、さらには2回目の浮気の相手も同じ。

2回目の浮気相手の男性は、彼女と初めて会ってからずっと好きだったようで、それこそストーカーまがいの行為をするくらいだったそうです。

ただし、この3人に共通する点が一つあります。

それは、全員が人格障害を抱えていたということ。

私の前の彼氏も精神科に通っており、2回目の浮気相手も精神科に通っていました。

1回目の浮気相手も病院には通っていなかったようですが、バイト先に何の連絡もなく突然行方をくらましたり、何かと問題行動の多い男の子でした。

したがって、健常な男性には魅力的に見えないけれども、彼女と同じようなパーソナリティー障害を抱える男性には魅力的に映り、モテモテということかもしれません。

まあ、人は誰しも何かしら闇というか、問題を抱えていたりするものです。

私自身も、何かしら人格的に欠落している部分があるのかなと思うことがあります。

まとめ

以上、長々と私の体験に基づく、境界性人格障害の女性についての特徴をお話してきました。

今振り返ってみても、あの頃を思い出すと憂うつな気分になってしまいます。

ですが、彼女と出会い、付き合ったことについて後悔はしていません。

これはきれいごとではなく、本心から断言できます。

なんだかんだで色々と尽くしてくれたり、気を遣ってくれたり、幸せを感じる部分はありました。

また、彼女と別れた原因も、私自身に至らなかったところがあり、大いに反省すべきことがたくさんあるわけです。

今はその経験を糧にして、現在の妻や子供、さらには両親や親戚、友人に至るまで、二度と同じ過ちは繰り返さないようにと肝に銘じています。

ただし、現在の妻がいないと仮定してもう一度恋愛をするとした場合、別れた彼女と、あるいは彼女と同じような境界性人格障害の女性と一緒になれるかというと?

私には無理です(苦笑)

私にはそれだけの精神的な強さは持っておらず、器の大きい人間ではないんですね。

正直、別れた彼女とも二度と関わりは持ちたくないという気持ちですね(^^;)


今、彼女が幸せな生活を送っているかどうかは分かりません。

けれども、彼女が幸せであるよう、本当に心から願っています。